気候変動サミット、合意に弾み 日本の存在感かすむ

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   京都議定書に代わって2020年以降の温暖化対策の新たな国際枠組みをまとめる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)まで約1年。世界の首脳級が米ニューヨークの国連本部に集まって国連気候変動サミットが9月下旬に開かれた。難航する交渉を打開するための会議だったが、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの2大排出国である中国と米国が対策強化に前向きな姿勢を示し、合意に向けて弾みがついた形だ。

   一方、排出量世界5位の日本は東京電力福島第1原発事故から立ち直れぬまま削減目標の提出時期も示せず、存在感は一段とかすむことになった。

米中が積極的な姿勢

   世界の科学者らで作る国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は昨年から今年にかけて公表した最新報告書で、有効な対策を取らなければ、地球の平均気温は今世紀末までに最大4.8度上がり、海面水位は同82センチ上昇すると警告。世界気象機関(WMO)は9月、IPCC報告書を基に2050年の気候がどうなるかという世界各地の「気象予報番組」を動画サイトYouTubeで公開。この中でNHKの気象キャスターが2050年9月23日の気象を予報し、「熱波の影響で京都の紅葉の見ごろはクリスマスごろになりそう」などとコメントしている。

   そんな危機感の中で開かれた今回のサミットだったが、最終日の9月23日、潘基文事務総長が「我々が気候の課題に立ち向かえることを示した」との議長声明を出して締めくくった。米中の積極的な姿勢を評価してのものだ。

   米国のオバマ大統領はサミットでの演説で、「(米中は)世界の2大経済・排出国として、取り組みを主導する特別な責任がある」で強調。「途上国の温室効果ガス排出は増え続けるだろう。誰も傍観者ではいられない」として、中国に協力を迫った。対する中国の張高麗副首相も「国際社会の義務を踏まえ積極的な責任を果たしていく」と呼応した。

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