太平洋戦争末期に作られた長野市の地下壕「松代大本営」の建設経緯を記した説明板で、朝鮮人労働者らが携わった経緯について「強制的に」と記した部分を同市がテープで隠していた問題をめぐり、加藤久雄長野市長は2014年10月8日、新たな表記内容を発表した。
もとの説明版には「延べ三百万人の住民及び朝鮮人の人々が労働者として強制的に動員され」と記されていた。だが、この記述ではすべてが強制的だったと解釈されるとして、市は2013年4月以降、パンフレットの「強制的に」という表現を外し、8月には説明版の「強制的に」の部分にテープを貼った。その後、一部団体などからテープをはがすよう要望があり、修正を検討していた。
信濃毎日新聞など複数紙によると、修正版では「多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われている」という記述に変更。労働者の具体的な人数を示さず、強制性の断定を避けた。加えて「必ずしも全てが強制的ではなかったなど、さまざまな見解がある」と表記した。10月中にも新たな看板に付け替えるという。