AV出演の元日経記者が書いた寄稿が話題に 「論旨不明」なのか「読ませる文体」なのか

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「寄稿に書いた以外の取材はお断りしています」

   文春が報じたとき、鈴木涼美さんも、「その日から軽くパニック状態で走り回ったり引きこもったりしていた」そうだ。友人たちも、「『新聞記者がAV女優』ということが週刊誌の見出しになること自体が悪趣味で職業差別的で前近代的」だと怒ってくれた。しかし、鈴木さんは、「『新聞社』と『AV女優』の混ぜたら危険な感じ」を週刊誌などが焦点を当てるのはしごく当然であって、両方を取るという「自分の選択が招いたあまりに予想可能なリスクと言えなくもない」と告白している。

   見出しの問題はそのようなものだとしても、鈴木さんは、「今回の文春報道には、それ以上の論点がある」と述べた。問題はむしろ、「『AV女優』の社会学」について、「著者である鈴木涼美は、『AV業界をうろうろしながら』と自らのAV出演の経験を留保して、本書を記していること」だというのだ。経験は本を書くうえで圧倒的に有利であり、それを告白しないことは研究者倫理などから疑問がありうるとして、こう自問自答した。

「著者は、『偏見を鑑みて』などという言い訳の裏で、どこかで自分の著作を読む偉いオジサンたちを『巨乳で馬鹿っぽいAV女優が書いたって知ったらどんな顔するの?』と嘲笑するような気持ちは持っていなかったと言えるだろうか」

   この寄稿については、ネット上で反響を呼び、ツイッターなどに様々な意見が書き込まれている。

   賛辞としては、「この人、なかなか面白いねぇ」「頭の良さが伝わってくる文章だな」といった声が出たが、「何が言いたいのか分からなかった...」「よく記者がつとまったなあ、という印象」との厳しい指摘も多かった。著名人の間でも、意見が割れており、元NHKアナの堀潤さんは、「読ませる文体」とツイッターで評価したが、経済学者の池田信夫さんは、「妙に回りくどくて論旨不明」とツイートしている。

   サイト上に鈴木さんの連載を載せている幻冬舎を通じて、鈴木さんに取材しようとしたが、「基本的なことはリテラに書いてあり、それ以外はお断りしています」とのことだった。第1編集局の担当者によると、鈴木さんは今後、タレントを目指しているわけではなく、社会学をより研究しようと、東大大学院の博士課程を受ける準備をしているという。

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