あるコンビニエンスストアの店員の告発ツイートが、インターネットで大きな波紋を広げている。レジと現金の計算が合わず、違算金の1万円を払わされるというのだ。
告発した、ツイートの主であるコンビニ店員はすでに勤めている店を辞めることを決めているようで、労働基準監督署に訴え、店側と徹底的に闘う姿勢をみせている。
1万円の違算金を店員が折半?
店員が勤めていたのは、広島市内にあるファミリーマート。2014年10月5日のツイッターには、「労働基準法違反じゃないこれ? 広島のファミリーマートで一万円の違算金を、入って数か月のアルバイトと俺で折半させられることになりました。労基法違反じゃないかと思います。悲しいなぁ」と、書かれている。
写真が添付されており、そこには「17時~22時の間で1万円不足となっているので、○○くん、××くんで5千円ずつ出して下さい。△△(マネージャーの名前)」とある。 どうやら、レジの計算と合わない1万円の不足分をふたりの店員が5000円ずつ、自腹を切って払うよう命じられたようだ。
1円、10円ならばいいというわけではないが、1万円ともなると「レジの計算が合わない」で済むような金額ではない。また、このツイートだけではレジの打ち間違いなど計算が合わない原因を、店側がどの程度調べたのかはわからない。
とはいえ、コンビニのマネージャーと思われる人物から1万円を支払うよう言われた店員にしてみれば、「濡れ衣を着せられた」と感じたかもしれない。
これまでもコンビニ店員とその店のマネージャーとは意見が合わなかったようで、店員の不満が溜まっていたようでもある。そうであれば、身に覚えのないことで疑われた店員が、いよいよ頭にきたのもわからないではない。
インターネットでは、
「然るべき所に告発しよう」
「ちゃんと労基署にいうんやで、店長とかに言ったところで丸め込まれるで」
「22時の点検の時点ですぐに調べるべきだよな。そこまで頭が回らないその時間の責任者に問題があるし それをまとめるオーナーにも大きな責任があると思うよ」
といった、コンビニ店員を支持する声は少なくない。
その半面、
「めったにないけれど、たまぁに汚れたお札がレジにつっかえて出てこないこと、あるよ」
「いやさ実際いるのよ。店の金チョロまかすバイト! ちゃんと確かめたん。(アルバイト店員は)信頼できるんか」
と、店員も店側も冷静になってと確認を促す声もある。
違算金「従業員に負担させることは一切ありません」
最近はレジも進化しており、大手スーパーなどでは商品をピッと通すだけで合算してくれて、現金を入れると自動釣におつりが出てくれるレジもある。しかしコンビニの場合は、商品によっては店員が手動で入力したり、つり銭を勘定してお客に渡したりするケースが多いので、その分、違算金が発生する可能性は高まる。
インターネットに寄せられた声には、
「俺も出したことあるけどね」
と、自腹を切った経験のある人もいた。
労働基準監督署に訴えるというコンビニ店員に、
「労働者の同意なしで給料から差し引くことはできません。違算金分を引いた時点で労基法違反になりますよ」
「損害賠償請求の可能性はあるが、ミスした人の特定が先。そして会社がどの程度それを防ぐ手立てをしていたのか、労働者がどれぐらい不注意だったのかなどを考慮して、賠償額が決定されるので全額というのはまずない」
といったアドバイスもある。
一方、ファミリーマートは「現在、事実を確認中」としながらも、「(違算金を)従業員に負担させることは一切ありません。そのことは規定にきちんと明記してあります」という。
ただ、ふだん違算金が発生した場合の対応については、「店舗運営上のルールですので、公表は差し控えさせていただきたい」と話している。
ちなみに、「勘定が合わないと帰宅できない」などといわれる銀行の支店では、1円合わなくてもその日のうちに徹底的に捜すが、最終的には本部に報告して、支店全体でペナルティを負う。結果的には支店長の責任になるようだ。