「これが問題になる場面を見聞きした記憶はない」
果たしてどんな法律なのか。東海地方で活動している、ある現役弁護士は「大学の講義ではほとんど説明がなかったと思います」と語る。司法試験の予備校でも勉強した記憶はなく、司法試験の択一試験の勉強で覚えた程度で、過去の適用事例や判例などもすぐには思い浮かばないという。
あまりにもなじみが薄い法律ということもあり、法曹関係者の中にはネットで解説したり、感想を漏らしたりする人もいる。
元検察官で弁護士の落合洋司さんは「択一試験前に勉強したことがある程度で、司法修習生から実務家になり現在に至る過程で、これが問題になる場面を見聞きしたことはありません。それくらい、適用が稀(皆無、と言っても過言ではないでしょう)な犯罪構成要件です」と自身のブログで語る。
関西大学の永田憲史准教授は「刑法93条の部分のコンメンタール(編注:法律の解説書)、初めて読みました」としながら、ツイッターで解説をつづっている。
現行法が「予備および陰謀」には規定がありながら、実行した者について処罰がないことについて、「理由は明確ではないようですが、私戦の実行が想定できないことが理由ではないかと述べられています」と語っている。