御嶽山は信者が全国から集まる山岳信仰の地
そうしたなか、追い討ちをかけるように木曽町観光協会には電話やメールで、「噴火するかもしれない火山とわかっていて、どうして観光地として売り出したのか」「どう責任をとるのか」といった批判が20~30件にのぼった。「きのう(10月5日)、きょうは止んでいます」と、同協会は話す。
こうした問い合わせは木曽町役場にも寄せられているようだが、町役場は「さまざまなご意見はうかがっていますし、しっかり受けとめたいと考えていますが、内容は公開できません」と話す。
また、御嶽山の登山口にあたり、ホームページで火山情報を提供している王滝村役場は、「今回の噴火は火山性微動などの予兆の情報がありませんでした。あれば(情報を)提供していますし、相応の対応もできます。何もしていないわけではないのに...」と、困惑ぎみだ。
心ない批判にインターネットでは、
「誰が天災に責任とれるんだ。いいかげんにしろ。同じ日本人として恥ずかしいわ」
「気持ちはわからないでもないが怒りをぶつけるところが違う」
「いったい何様のつもりだ。以前から安全対策の虚弱性を指摘していたのならともかく、いきなり現れて訳わかんねーことぬかすな」
など、憤りの声が飛んでいる。
また、
「富士山も登山禁止にするつもりか」
「死と隣合わせでなけりゃ信仰なんてされねぇよ。わかるだろ。日本人なら」
といった声があるように、そもそも御嶽山は「御嶽教」という山岳信仰の地で、信者が全国から集まる。
木曽町観光協会は「数字は不明」としたうえで、「近年は高齢化で、訪れる信者は年々少なくなっていますが、いまでも熱心な信者の方が訪ねてきます。冬のあいだ里宮(王滝御嶽神社)に祭っている神様を、夏に奥宮(御嶽山頂)に移すので、多くの信者は夏(8月)に山頂をめざすんです」と、説明する。
そういった信者らが支えてきた土地でもあるわけだ。