600万円なら「妥当」かも
2500万円の費用を高額とみるかどうかは、意見が分かれるところだ。日本からツアーに参加する19人は、男性14人、女性5人で、平均年齢約60歳。会社経営者など高所得者が占めるという。
クラブツーリズム・スペースツアーズと宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共同研究によると、クラブツーリズムの登録顧客(20~70歳代)の約6割は「宇宙旅行に行ってみたい」と答えているが、その条件として「より安全性が確認されたら」「2500万円より安くなったら」を挙げている。価格については6割近くの人が「1000万円以上」を高いと感じており、600万円程度で「高い」と「安い」が均衡する結果となった。
果たして宇宙旅行は安くなるのか? これにはかつての海外旅行が参考になるという。海外旅行は1964年に自由化されたが、当時のハワイ旅行は9日間で36万円だった。当時の大卒初任給は約2万円(現在の10分の1程度)で、ハワイ旅行は「高嶺の花」だった。現在のハワイ旅行は当時の3分の1程度となり、現在の大卒初任給で換算すると、ハワイ旅行は50年間で実質的に30分の1に下がった計算になる。現在、2500万円と家を買うのと同等の宇宙旅行も安全の実績を積んで普及すれば、数十年後には庶民の手が届く割安ツアーが誕生するかもしれない。