サントリーがビール事業を分社化、ついに独り立ち もう「ウイスキーにおんぶに抱っこ」じゃない

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「山崎」「響」など国産ウイスキーを世界に売り込んでいく

   一方、サントリーHDは2020年にグループ全体の売上高を現在の2倍の4兆円にする目標を掲げている。その成長戦略の中核に据えるのが蒸留酒事業だ。巨大メーカーが競う海外のビール市場に本格参入するのは難しいが、蒸留酒市場は新興国での消費量が急増していて、今後も市場拡大が予想されている。

   その有望市場に切り込むため、サントリーHDは米国を中心にロシアやインドなど新興国に販売網を持つビーム社を買収し、世界3位の蒸留酒メーカーへと踊り出た。買収時にサントリーHDは「酒類事業のグローバル化が課題だったが、これでグローバル展開を進められる」(佐治会長)と説明し、年内に事業再編を進めて蒸留酒事業を集約することを明言していた。それが今回のビール事業切り離しというわけだ。

   これから「ビーム サントリー」の販路を通じてサントリーの「山崎」「響」など国産ウイスキーを世界に売り込んでいくことになる。佐治会長と新浪社長は新体制発足に合わせてホームページで「サントリーグループの"やってみなはれ"を機軸に、日本国内はもちろん、グローバルに常に新たな価値の創造に挑戦して、サントリーグループの新しい歴史の第一歩を力強く踏み出していく」というメッセージを発した。まさに、サントリーの世界戦略の成否は国産ウイスキーが海外で受け入れられるかにかかっていると言えそうだ。

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