総額67兆円分という「誤発注」騒動 ミステリーの真相は何だったのか

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「ジェイコム事件とは、まったく違います」

    一方、日本証券業協会は「まず、(2005年12月に起った)ジェイコム株の誤発注事件とはまったく違います」とクギを刺し、こう説明する。

「今回の件は、取引自体は2014年10月1日9時25分に成立しています。その取引を報告する際に誤った内容で報告されたために起ったことです」

    日証協によると、報告は取引成立後の9時26分にあったが、「数量欄に約定金額(数量×価格)を入力し、価格も誤った内容で報告されていた」という。それらの報告は9時43分にすべて取り消された後、13時44分に正しい内容で報告があり、1日夕には協会のホームページで公表していた。

   「誤発注」は、証券会社と機関投資家のあいだで成立していた取引の「誤報告」だったわけで、東証の株式市場が混乱して多額のもうけや損失が発生した、みずほ証券によるジェイコム株の大量誤発注事件とは「性質が異なる」。「市場外であり、取引が成立したあとのことなので(株価などへの)影響もあまりない」とみている。

   ジェイコム事件は、みずほ証券がジェイコム株について「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤って発注。通常ではありえない大量の売り注文で株価が急落するなど、相場を動かした。

   それが今回は、取引中だった機関投資家や証券会社を含め、多くの関係者が「総額67兆円」という、ありえない規模の取引に、「なにか誤りではないか」「システムトラブルではないか」と、すぐに疑問をもったことも、混乱を抑えたのかもしれない。

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