日本にもある中国政府肝いりの「孔子学院」 北米で次々閉鎖、「スパイ機関」の疑い濃厚

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米に続き、カナダでも、孔子学院「排斥」の動き

   日本には、ブリティッシュカウンシル(英国)、ゲーテ・インスティトゥート(ドイツ)、セルバンテス文化センター(スペイン)のように、各国政府の文化機関が語学教育プログラムを提供している例がある。ただしいずれも、独立した語学学校の形態だ。孔子学院のように、日本の大学と結びついて大学名を冠した学校を開設しているケースは珍しい。

   受講生にとってはメリットもある。安価な授業料だ。立命館孔子学院の場合、在校生だけでなく一般希望者や他大学の学生も受講可能で、例えば中国語講座の入門クラスを見ると、計14回の授業で一般が2万6000円、他大生は2万円となる。民間の語学学校で類似のカリキュラムを調べたところ、計6回で3万円強や、計30回で約8万円などが見つかった。内容や授業時間は多少違うかもしれないが、単価で比べると孔子学院の授業料が格安なのが分かる。

   純粋に語学を学ぶ身であれば好都合だろう。だが背景には、中国政府が自国の文化や思想を広めるために大金を投じている現実がある。こうした動きに危険な匂いを感じたからこそ、米大学は相次いで閉鎖を決めたとも言える。

   カナダでも、孔子学院「排斥」の動きが出ている。トロントでは、中国系の移民が中心となって教育委員会に対して孔子学院との契約を破棄するよう抗議をしたと、カナダCBCニュースが10月2日に報じた。1年前にはオンタリオ州の大学が、中国政府と対立関係にある宗教団体「法輪功」を信仰している中国人を講師として採用しないのは差別だとして、孔子学院を閉鎖した。思想や文化に加え、宗教も絡んで、反発の声が高まっているようだ。

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