視点が変われば意見は異なるという話?
ブログ閲覧サイト「ブロゴス」でも、藤田晋氏の発言に対する投稿がランキング上位に入るほどのアクセスを集めている。そのうちの1つ、ライターのかさこ氏によるブログでは、「社員が会社を辞めるのは自由なのに、転職社員をNIKKEIで罵倒し、魅力のなさを公言してしまった」と批判した。
かさこ氏は、社員は経営者にも会社にも魅力がなかったから辞めたのであって、今回罵倒されたため辞めてよかったと思っているのではないかと指摘した。藤田氏の発言は、「まるでふられた彼女に対する恨み節」だとして、社内で怒るのはいいが、公の場で罵倒するのは勘違いだと言っている。藤田氏がそれでも発言したのは、「共感してくれる老害読者が日経新聞には多いと思ったからだろう」と皮肉っている。
一方、ブロゴスでアクセス上位になったファイナンシャルプランナー中嶋よしふみ氏のブログでは、藤田氏の発言について、「正しすぎる」と擁護する論陣を張った。
中嶋氏は、批判や炎上も承知のうえで、藤田氏がメディアを通じて社員にメッセージを送って引き抜き抑止を狙っているとみる。人出不足のIT企業では、人材流出を放っておけば経営者失格であり、嫌われ役を買ってでも会社を成長させるべきだという。藤田氏は、発言によるメリットを意識しており、「一代で上場企業を築く社長の感覚はこんなにも凡人と違う」とした。「芸能人のブログを読む人や、ソーシャルゲームをやる人は日経新聞を読む層と全くかぶっていない」として、マイナス効果はないとみている。
こうした主張については、ネット上でも、「大企業の経営者としては至極正しい」「最初から炎上込みで計算通りだった気はする」などと共感する声も聞かれた。
一方で、「経営者視点で見れば藤田寄り多数だろうし、社員から見れば退職者寄り」「視点が変われば意見は異なるという話」といった見方も出ていた。