半日後にはNHKに「火山災害ホームドクター」として登場
偶然にも、ツイートからおよそ半日が経った10月2日朝にNHK Eテレで放送された番組「学ぼうBOSAI」に、井村さんは「火山災害ホームドクター」として登場している。その中にも、似たようなエピソードが登場している。
新燃岳が大きな噴火を起こす前の2010年の段階で、地元の宮崎県高原町(たかはるちょう)が子どもに霧島の自然に触れてもらおうと、ツアーを計画していた。目的地は新燃岳の火口からおよそ2.5キロの場所を想定していた。その時点で小さな噴火は起きていたが、立ち入りは可能な場所だった。町が井村さんにアドバイスを求めたところ、井村さんは 「研究者であっても、噴火は容赦してくれない。僕だって死ぬ可能性がある。そんな場所に、みんなを連れていくわけにはいかない」
などと猛反対し、すぐにコース変更が決まったという。
井村さんは、記者とのやり取りのツイートが話題になった後にも、真意を改めてツイッターで説明しており、立場は一貫しているといえそうだ。
「今回の事故から学ばなければいけないことは,『活火山の登山には噴火リスクが伴う』ということだと思います。そのリスクをどこまで許容するかは個人の判断だと思います。研究者はその判断材料を提供できるだけです」
気象庁が「噴火警戒レベル」を設定して監視している火山は全国に30あるが、「レベル2(火口周辺規制)」以上なのは、活発な活動が続く桜島(レベル3)や、阿蘇山(レベル2)など8つのみ。御嶽山も、今回の惨事が起きるまでは「レベル1(平常)」で山頂付近への登山は規制されていなかった。