大阪府泉大津市で2014年9月29日、ヘルメットをかぶっていなかった原付バイクが、パトカーから追跡され、逃走した後に交差点で乗用車と衝突した。
乗用車側からすれば、とばっちりのように事故に巻き込まれた形だが、泉大津署は乗用車を運転していた男性を逮捕。すぐに釈放されたものの、報道を受け、「どうして運転手が逮捕されるのか」という疑問の声が相次いだ。
ぶつかった原付バイクはパトカーに追跡されていた
事故の経緯はこうだ。29日22時40分ごろ、同市内の路上で、パトカーがヘルメットをかぶらずに運転していた原付バイクを発見して、追跡。しかし、原付が赤信号を無視して逃走したため、危険だと判断して追跡を中止した。現場は片側1車線の細い道だ。
そこから約200メートル離れた地点で、原付は昭和町の交差点に赤信号で進入。青信号を進んできた乗用車の左側面に衝突した。
原付を運転していた府内の高校に通う3年生の男子生徒(17)は頭や足を骨折し、意識不明の重傷。乗用車の助手席に乗っていた会社員の女性(28)は割れた窓ガラスの破片が当たって軽傷を負った。
予期せぬ形で事故に巻き込まれてしまった乗用車を運転していた男性(27)だったが、現場に駆けつけた警察に自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕されてしまった。
「何の非もない、ただ巻き添えを食らっただけ」
この事故が報じられると、ツイッターでは
「車を運転する側から見ると納得出来ない話だ」
「これ自動車まったく悪くねーだろ。むしろ被害者」
「何の非もない、ただ巻き添えを食らっただけの運転手が逮捕されるのはおかしい」
と、警察の対応に疑問を持つ声が相次いだ。
同署によると、任意同行などではなく現行犯逮捕をしたのは、男子生徒がけがをした事実があったためという。しかし、目撃者の証言などその後の捜査の結果、男性の過失割合が低いとして翌30日未明に釈放した。拘留していたのは数時間だという。
一方で、男子生徒が助手席の女性にけがをさせたとして、危険な運転がなかったかなど捜査を進める方針。意識不明の状態が回復次第、事情を聞く予定だという。
事故が起き、男子生徒が重傷を負ったことから警察としては男性に事情を聞く必要はある。とはいえ、証拠隠滅や「逃亡の恐れ」は考えられず逮捕の要件に当たるとはとても思えない。
「とばっちりすぎる...」「なんという巻き添え」と運転手を同情する意見が多く寄せられている。