元祖「持ってる男」ドカベン香川 甲子園のヒーローは波乱万丈の人生を送った

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   プロ野球界の「ドカベン」として人気を集めたことで知られた香川伸行さんが亡くなった。2014年9月26日のことで、死因は心不全。52歳だった。

   明るいキャラクターからはうかがい知れない激動の人生だった。

プロ初打席で場外ホームランかっ飛ばす

甲子園では3試合連続ホームランを放った
甲子園では3試合連続ホームランを放った

   香川という名前より「ドカベン」といえば、すぐ顔を思い浮かべる個性的な野球選手だった。この呼び名は漫画の主人公にダブらせたもので、漫画に合わせて出現したような、珍しいヒーローといえた。

   彼が一躍注目されたのは浪商(現大体大浪商)時代。1979年のことだった。春のセンバツで強打を見せ、準優勝。夏の選手権にも出場、ベスト4で敗れたものの、3試合連続ホームランを記録。「甲子園のヒーロー」となった。このときのエースは中日などで活躍した牛島和彦。

   香川は捕手としてより、甲子園での長打力がプロ野球からマークされた。それに、体型と童顔が醸し出すアイドル性もプロ向きと話題となった。ドラフト2位で南海(現ソフトバンク)入り。80年のデビューは初打席ホームラン。それも場外へかっ飛ばす強烈なものだった。今でいう「持ってる男」である。

   83年には105試合にマスクをかぶり、規定打席不足ながら打率3割1分3厘、15本塁打を放ち、ベストナイン(記者投票)に選ばれた。これは異例なことなのだが、将来を期待されての受賞で、メディアにかわいがられていた証拠だった。

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