「通勤用の車に維持費やガソリン代もかかる」
「大抵の場合は携帯代と食費代のどっちが大事かの問題だと思う」「明細見たら無駄なところに回していそう」といった声だ。また、「母子家庭を選んだのは母親だろ?」と厳しい指摘もあった。
生活保護を担当する山梨県の福祉保健総務課でも、驚きを示す。
「家族5人でも、14万円かかるというのは、すごいと思います。一般的ではなく、特殊な事例だと思いますよ」
山梨県では、生活保護で支給できる家賃は、通常は2万8400円を上限としている。都市部などの地域事情を考慮しても、住宅扶助から支払える最高額は、何人家族でも、その1.3倍の3万6900円になる。光熱費は生活扶助費の項目に入っており、一般例だと、電気代5000円、ガス代1万円、水道代1万円だという。5人家族だと、そこからやや高くなるそうだ。
しかし、奨学金の返済などを考えても、それだけでは14万円というのは考えにくい。
女性を支援しているNPO法人の代表は、取材に対し、次のように説明した。
「車の維持費やガソリン代もかかりますし、家族間の連絡のために携帯電話も持っています。5人で暮らしていますので、生活は本当にギリギリで、これ以上切り詰めることはできません」
もっとも、NHKの緊急調査から、母子家庭などを中心に子供の食事事情が悪化していることは事実のようだ。
NPO法人などと協力して子供のいる269世帯を実態調査したところ、1人当たりの1日の食費が300円に満たない家庭が半数近くあり、8割以上がおかずを十分に確保できず子供に栄養不足などが見られるという。