中国「火鍋」人気で、日本勢は「競り負ける」
牛肉の需給がひっ迫しつつある理由の一つには、米国で2011~12年に発生した干ばつの影響があげられる。その影響が現在も続いており、米国では直近の飼育牛が減少。供給が減っているところに、中国をはじめとした世界的な需要増が起こった。
牛丼チェーンは当初、米国産牛肉の規制緩和が価格の下落につながるとみていたが、実際には輸入量は増えたものの、「火鍋」といわれる鍋料理の需要が高まっている中国が高値で競り落とすケースが目立つようになった。「(日本は)競り負けるケースが増えているようです」(農畜産業振興機構)。
牛丼チェーン店も、「中国の影響がゼロとはいいませんし、(競争が)厳しくなっています。経済発展で、実際に中間層が厚くなって、需要を底上げしていますから」と話す。
値上げにつながる話ばかりで、「定番」となっている牛丼の「安売り」キャンペーンも、もう期待できないかもしれない。