「なるべく顔を出さない」「心配し過ぎたらどこにも連れていけない」
子どもの顔がはっきり写った写真を投稿するかどうかは、判断が分かれた。「なるべく出さない方がいいと考えている」(30代女性・東京)、「後ろ姿などなるべく自然な形で顔が写らないように載せる」(40代男性・東京)という意見に対して、「他人に自分の子どもを見られることをそこまで心配していたら、どこにも連れて行けない」という指摘もあった。写真を公開したら悪用される、と極端に心配するのは疑問だという。
一方で、排除可能なリスクは極力取り除くという姿勢は共通していた。まず情報公開の範囲を制限し、全くつながりのない人は自分のページを直接閲覧できないようにする。また写真に載っている人が誰かを特定する「タグ付け」を相手に求められたら拒否する。自分以外が撮影した写真にタグ付けされると、「いつ、どこで何をしていた」が自分の意図しないところで第三者に漏れてしまう。友人家族と一緒に撮った写真をSNSに投稿する際、相手の子どもが写っていたら掲載の可否を親に確認するのもマナーのようだ。長年音信不通だった人から突然SNS上での「友達申請」が来ても無視する、必要以上に友人登録を増やさないとの回答も出た。最初から「家族のことを知られてもいい親しい人」だけに範囲を限定しておくというわけだ。
こうした自衛策をとっても、完璧にリスク回避できるわけではない。公開対象を友人だけに絞ったとしても、その友人が第三者に向けて自分のSNSの投稿を共有すれば、子どもの写真が「知らない人」の目に触れるケースは十分にあり得る。ポイントは、こうした状況を理解したうえで、どこまでなら載せても問題ないか、各自が判断力を磨く必要がある。「そもそもSNSを辞めれば不安は解消されるではないか」との意見もあるが、取材した人たちは「あまりに極論」と否定的だった。