精神科医「これくらいで死のうと決めていたのかも」
それだけに突然の死はファンに大きな衝撃をもたらした。
26日にはファンに宛てた遺書が「ET-KING」の公式サイト上で公開された。
「ファンのみんなへ みんなのおかげで音楽をやってこれました。ET-KINGの音楽は、時間をこえて、時代をこえても、ずっと側にある音楽だと思っています。メンバーのこれからを応援してあげてください。本当にありがとう」
メンバーや家族に宛てたものもあったが、いずれにも亡くなる理由めいたことは書かれていなかったという。取材を進めている芸能リポーターの井上公造氏も26日放送の「スッキリ!!」(日本テレビ系)の中でコメントしていたが、「キツネにつままれたようで訳が分からない」とお手上げだ。
前触れのない自殺を専門家はどう見るのか。精神科医の町沢静夫氏は「誰にも言えない隠れた秘密や苦しみがあったのではないか」と指摘する。
一方で「躁うつ病(双極性障害)」、特に躁とうつを頻繁に繰り返すラピッドサイクラーのケースや、躁うつ病よりも軽い「気分循環性障害」のケースの可能性も考えられるという。これらの場合は数日内に気分の変動があり、気分が落ち込んだ際に自殺を図るケースも少なくないそうだ。
だがTENNさんは遺書が用意していたことなどから、町沢氏は「(衝動的ではなく)これくらいで死のうと決めていたのかもしれません」との見方を示した。
26日放送の「スッキリ!!」に出演した精神科医の香山リカ氏は、ブログの内容について「悩んでいることや苦しんでいることがあって、むしろブログには自分を励ます意味もあって常に前向きなことを書いたのでは」と指摘した。その上で、ブログに書かれている内容と実際の自分にギャップを感じていた可能性もあるとも分析した。
TENNさんのブログのコメント欄には「目が腫れそうなほど泣いてます」「ただ、ただ、残念です...」といった悲しみの声や、「たった1人で色々抱え込んでしまったのでしょうね」「抱えてた苦しみ、解き放たれたのでしょうか。...いや、奥様の事を思うと辛かったでしょう」と自殺前の胸の内を思いやるファンからのコメントが多数寄せられている。