学生と一緒にテニスをする姿も
13年4月からは理研の創発物質性科学研究センター長を務めている。自身の研究だけではなく、センター全体のマネジメントも行う重要なポストだ。
東京大では今も教鞭を執る。研究室のホームページでは、十倉さんの誕生日会や軽井沢でのテニス合宿の様子を見ることができる。学生からプレゼントをもらったり、一緒にテニスで汗を流したりする姿からは、学生から慕われていることが伝わってくる。
今回の受賞にあたり、「新たに頂いたトムソン・ロイター引用栄誉賞をビタミン剤に今後も一層研究に精進したいと存じます」とコメント。「(受賞した)研究は開始して10年余になりますが、現在は、より広く『トポロジーと磁性』についての研究へと発展中です」としている。
日本人でこれまでノーベル物理学賞を受賞したのは6人。湯川秀樹、朝永振一郎、江崎玲於奈ら、いずれもそうそうたる顔ぶれだ。理研の小保方晴子さんのSTAP細胞研究をめぐる不正疑惑に揺れた日本の科学界において、十倉さんのニュースは明るい話題だ。今年のノーベル賞の発表は10月6日から始まる。