お弁当やアイスの余分なカロリー、途上国へ NPO法人がローソンや江崎グリコなどと食糧支援

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   世界の食糧問題の解決を目指すNPO法人「TABLE FOR TWO International=テーブルフォーツーインターナショナル(TFT)」が、ローソンや江崎グリコ、日本フィットネス産業協会などと組み、「先進国の余分なカロリーを開発途上国で必要なカロリーに変換する」という、日本初のユニークな企画に取り組むことになった。

   TFTは2007年10月に日本で誕生したNPOで、提携先企業や団体の社員食堂や店舗で低カロリーの「TFT」メニューを選んで食事をすると、食事代金のうち20円をアフリカなど飢えに苦しむ子供の1食分の給食費として寄付する活動をしている。これまでに企業、官公庁、大学、病院など約650団体が参加し、約2800万食をアフリカのウガンダ、ルワンダ、エチオピア、タンザニア、ケニアのほか、アジアではミャンマーに提供している。

カロリーオフセットのマークが目印

余分なカロリーを発展途上国に(画像は「カロリーオフセット」キャンペーンのWebサイト)
余分なカロリーを発展途上国に(画像は「カロリーオフセット」キャンペーンのWebサイト)

   今回、TFTがローソンや江崎グリコなどと組んで行う企画は「カロリーオフセット」と呼ばれ、「健康を意識した食品(従来よりもカロリーが低い食品)や、体を動かすことでカロリーを消費できる商品やサービス」を協賛企業らが提供。対象商品やサービスの売り上げの一部が寄付金となり、「開発途上国の菜園作りなどを通じて、農業生産向上の指導やインフラ整備に利用する」という。オフセットとは「差引き勘定」や「埋め合わせ」の意味で、先進国の過剰なカロリーを削り、途上国に食べ物として渡すイメージだ。

   ローソンは2014年9月16日から10月27日まで、「あなたの健康が世界を救う! カロリーオフセットキャンペーン」として、カロリーを抑えた弁当、おにぎり、飲料、菓子など35品を販売する。「野菜と茹で豚の生姜あん弁当」は、マンナンヒカリ入りご飯を使用し、436キロカロリー。全国のローソン約1万1000店舗で販売し、売り上げの一部がTFTを通じて「フィリピンの農業支援に充てられる」という。

   江崎グリコはローソンのキャンペーン期間中、カロリーをコントロールしたアイスを対象商品として販売する。いずれの商品もカロリーオフセットのマークが目印となっている。

駅伝でも協力

   日本フィットネス産業協会は、フィットネスやスポーツに関連する業界団体が企画・運営する「カロリーオフセット対象の駅伝大会」を11月24日に東京、12月13日に大阪で開催する。参加者が消費したカロリーのうち、80キロカロリー当たり1円がTFTを通じてフィリピンの農業支援に回るという。駅伝には約6000人が参加する見込みだ。

   TFTの小暮真久代表は「これまでTFTは社員食堂を中心に活動してきたが、参加できる人数に限界があった。多くの開発途上国の子供たちに給食を提供するためには、もっと多くの協力が必要で、より多くのみなさんにTFTの活動に触れていただく仕組みが必要と考えた」と言う。小暮代表はカロリーオフセットについて「新しい単位であり、新しい通貨、新しい概念だ」と意気込みを語っている。貧困削減に向け、NPOがローソンなどと組んだユニークな試みが日本で浸透するか、注目される。

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