福岡市を拠点に活躍するHKT48の劇場支配人としても知られる指原莉乃さん(21)に「アイドル界の田中角栄」説が持ち上がっている。秋元康さん(56)やリリー・フランキーさん(50)がこの説を唱えているらしい。
田中角栄元首相といえば、戦後の高度経済成長を背景に「日本列島改造論」でインフラ整備を進めた日本を代表する政治家のひとり。巧みな人心掌握術でも有名だ。プロデュース力を買われることが増えてきた指原さんだが、2014年の選抜総選挙では2位に陥落。指原さんのスキャンダルを報じ続けている週刊文春も、「果たして指原は政権を奪還できるのか」(10月2日号)と動向に注目している。
田中派は「気を配り、モノを配る」ことが得意だった」
「指原莉乃=田中角栄」説が飛び出したのは、2014年9月20日の朝日新聞オピニオン面に掲載されたインタビュー。冒頭、指原さんが
「私、秋元康さんから『お前はアイドル界の田中角栄だ』って言われるんです。この間、リリー・フランキーさんからも『角栄みたいな性格だね』って。伸びそうな若手に目をかけて自分の仲間を増やしていることが、派閥を大きくしていった角栄さんに似ているみたいです」
と明かしている。
実際、指原さんと角栄の共通点は少なくないようだ。田中角栄の選挙区を取材、人間角栄を描いた「田中角栄は死なず」 (徳間文庫)などの著書がある元朝日新聞記者の蜷川真夫さん(現ジェイ・キャスト会長)は、角栄の人心掌握術について
「田中派は若手を教育する派閥の機能を持っていて、『気を配り、モノを配る』ことが得意だった」
と振り返る。「モノ」の内容は、「カネ」や「ポスト」が代表的。子分や官僚にうまく分配することが、角栄組織力の重要な手段だった。
一方で、指原さんの著書「逆転力 ~ピンチを待て~」(講談社AKB48新書)には「エースを作る、打順を回す」という見出しで
「九州ツアーでは、7つの県ごとにユニットメンバーを入れ替えたり、地元のコにはソロパートをあげたりしています。本人のモチベーションにも繋がるし、ファンの方が『見つけて』くれる可能性も高まりますよね」
とある。角栄のように「カネ」や「ポスト」を配ることはできないにしても、指原さんは「出番を配る」ことで人心掌握しているとも言えそうだ。
秋元さんはSNSの「755(ナナゴーゴー)」で「指原にはまだ人事権はないです」と明かしている。指原さんは現時点ではCDのメンバー選定に関する権限は持っていないとみられるが、今後権限が拡大する可能性もある。