韓国のテレビ番組で女子フィギュアスケートの浅田真央選手、キム・ヨナ選手のことが話題になった際に、出演していた日本の男性タレントが、キム選手はあまりにもスケートが上手く、浅田選手を負かし続けているから「日本人はキム・ヨナに嫉妬している」と発言したことがわかり、日本では「そんな事実はない!」「日本人の発言とは思えない」などとバッシングが起こっている。
バラエティー番組にも拘らず、この発言は韓国の大手新聞を含む多数のメディアが報じていて、キム・ヨナ選手が日本ではどう受け止められているのか、その関心の高さが伺える。
「キム・ヨナは素晴らしく、浅田にたくさん勝っている」
問題となった番組は2014年9月22日に放送されたJTBCの「非首脳会談」で、11カ国の外国籍のパネラーらが「世界のスポーツ」をテーマに語り合った。日本代表として出席したのはアジアで活躍するアイドルグループ「CROSS GENE(クロスジーン)」のボーカル・TAKUYA(寺田拓哉 22)さん。韓国大手新聞の中央日報などによると、番組内で司会者から、
「日本ではキム・ヨナに対する評価はどうなのか?」
と聞かれ、TAKUYAさんは、
「かなり嫉妬しています。キム・ヨナのスケートは素晴らしく、浅田選手にたくさん勝っているからです」
と答えた。また、その嫉妬には浅田選手ならキム選手と同じくらい上手くできるのに、という悔しさも含まれているなどとも語った。これに対しパネラーの一人が、「自分も浅田選手を応援しているがよく転ぶから心が痛い」などと発言すると、テレビ画面には浅田選手が転倒する画像が流れた。
このニュースに関する日本のネットの反応は「嫉妬しているわけがないだろ!」「嫉妬と言うよりshitなはず」といったものばかりで、大騒ぎになった。
「あくまでバラエティー番組での発言」と所属事務所
14年9月23日付けの中央日報日本語電子版を読んで知った人が多く、そのコメント欄には、
「TAKUYAって誰?少なくとも日本人じゃないですよね?」
「キム・ヨナに嫉妬?流石!!そういう風に信じたいんだよね!」
「キムヨナ?恐らく日本で嫌われている選手トップでしょう。嫌われるのは理由があって、それと嫉妬とは無関係」
などといったコメントが並んでいる。
こんな発言をしたTAKUYAさんとは何者なのか。プロフィールを見ると、茨城県守谷市出身で、08年の第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞受賞をきっかけに芸能界入り。12年6月に韓国人3人、中国人2人、日本人1人の合計6人の男性からなるダンス・ヴォーカルグループ「CROSS GENE」のメンバーとなり韓国でデビューを果たした。13年には日本デビューをしている。
所属事務所のアミューズに話を聞いてみると、14年は韓国に活動拠点を戻した。TAKUYAさんは韓国のテレビのバラエティー番組などへの出演によって知名度が急上昇している状態なのだそうだ。韓国語も流暢で、それは5年前にエンターテインメントを習いたいと韓国に留学、努力を積み重ねてきたからで、この留学がきっかけで「CROSS GENE」入りが決まったのだそうだ。TAKUYAさんの今回の発言が騒動になっていることについて、事務所に苦情のようなものは来てはいないし、
「あくまでバラエティー番組での発言ですので、そういった種類のものだと受け止めていただけるとありがたいのですが」
と担当者は話している。