新型iPhoneに早くもトラブル 4年前の「電波障害」の悪夢よみがえる

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   発売間もない米アップルの「アイフォーン(iPhone)6」「6 Plus」に、早くも「試練」が訪れた。基本ソフト「iOS」の最新版に不具合が見つかり、アップルが撤回する事態に陥ったのだ。さらにWi-Fi接続が不安定という苦情も数多く出ている。

   アップルは4年前、「iPhone4」発売後に電波受信障害が指摘され批判を浴びた。「二の舞」とならないための対応が待たれる。

「Wi-Fiの接続悪すぎ」「本当にイライラする」

「Wi-Fi問題」は早期解決となるか
「Wi-Fi問題」は早期解決となるか

   新型iPhone発売前日の日本時間2014年9月18日、アップルは「iOS 8」を投入し、同25日深夜にはその更新版「iOS 8.0.1」を公開した。ところが、これを適用した利用者から「電波を受信しなくなり圏外となる」「指紋認証が使えない」といった報告が相次いだ。結局、公開から2時間足らずで「iOS 8.0.1」の配布はいったん取り下げられてしまった。

   騒ぎはこれだけにとどまらない。iPhone6、6 Plusそれぞれで「Wi-Fiがつながりにくい」という声が続出しているのだ。発売日の9月19日から、ツイッターには、「Wi-Fiが遅くて不安定」「Wi-Fiの接続悪すぎ」と次々に書き込まれた。海外でも事情は同じようで、アップルのウェブサイト上に開設されている「サポートコミュニティー」ページ(英語版)には、利用者からの「とにかくWi-Fiが遅い。自分と同じ状況の人、誰かいませんか」との問いかけに「同じです。本当にイライラする」と応じる人がいた。

   解決法は、利用者間で共有されている。サポートコミュニティー内では「ネットワーク設定をリセットしたら改善した」という投稿があった。実際に同じ方法を試して接続状態が好転したという人もいたが、「やってみたけど変わらない」と落胆の声も出た。インターネット上ではほかにも、事態を打開するため設定を変更するいろいろな方法が紹介されている。

   端末の設計上のミスか、OSの不具合か、今のところははっきりしない。そのOSも、「iOS 8.0.1」が公開早々に撤回されたとあって、不安が残る。アップルはサポートコミュニティーページで、再度iOS 8を入れ直してほしいとその手順を説明すると当時に、「数日中に『iOS 8.0.2』をリリースする」と発表した。ただ、具体的な日付は明らかになっていない。

   「電波障害」と言えば、アップルには苦い経験がある。2010年6月に発売した「iPhone4」で、端末の持ち方によって電波の受信が悪くなり、最終的には圏外になると複数のメディアや利用者から指摘されたのだ。アップル側は当初、「持ち方を変えれば対処できる」としていたが、事態は収まらなかった。

端末の持ち方により「圏外」となったiPhone4

   アップルは2010年7月2日、iPhone4の電波問題で公式発表を出した。「ほとんどの携帯電話は、特定の持ち方をすることで受信状態が悪く」なると釈明する一方、調査の結果「電波の強さを示すバーの数を何本表示するかを計算するために我々が使っている数式が間違っていた」と説明。修正した数式を組み込んだ無料ソフトを配布するとし、「ご心配をおかけした皆様には、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。2週間後の7月16日には、当時の最高経営責任者(CEO)スティーブ・ジョブズ氏が自ら会見を開き、電波障害を避けるための端末のカバーを無料で提供すると発表した。

   だがこうした対応にもかかわらず、米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」がiPhone4の電波受信状況をテストしたところ不具合が起きたことから、「購入を推奨できない」と厳しい評価を下した。

   その後も、新型iPhoneの登場時にたびたび問題が起きている。2012年に発表した「iPhone5」では、アップルが独自開発した地図アプリのつくりがずさんで失笑を買い、ティム・クックCEOが謝罪に追い込まれた。2013年発売の「iPhone5s」では、画面が突然青一色となり強制的に再起動する不具合が生じた。

   これらはいずれもiPhoneのブランドに致命傷を与えることはなく、iPhone6と6 Plusは発売3日間で、歴代iPhoneの中で最多の1000万台突破と高い人気を保っている。ただ、今回のトラブルは現時点で完全に解決してはいない。アップルが真摯な対応を怠れば、利用者の不満が一気に爆発しないとも限らない。

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