端末の持ち方により「圏外」となったiPhone4
アップルは2010年7月2日、iPhone4の電波問題で公式発表を出した。「ほとんどの携帯電話は、特定の持ち方をすることで受信状態が悪く」なると釈明する一方、調査の結果「電波の強さを示すバーの数を何本表示するかを計算するために我々が使っている数式が間違っていた」と説明。修正した数式を組み込んだ無料ソフトを配布するとし、「ご心配をおかけした皆様には、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。2週間後の7月16日には、当時の最高経営責任者(CEO)スティーブ・ジョブズ氏が自ら会見を開き、電波障害を避けるための端末のカバーを無料で提供すると発表した。
だがこうした対応にもかかわらず、米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」がiPhone4の電波受信状況をテストしたところ不具合が起きたことから、「購入を推奨できない」と厳しい評価を下した。
その後も、新型iPhoneの登場時にたびたび問題が起きている。2012年に発表した「iPhone5」では、アップルが独自開発した地図アプリのつくりがずさんで失笑を買い、ティム・クックCEOが謝罪に追い込まれた。2013年発売の「iPhone5s」では、画面が突然青一色となり強制的に再起動する不具合が生じた。
これらはいずれもiPhoneのブランドに致命傷を与えることはなく、iPhone6と6 Plusは発売3日間で、歴代iPhoneの中で最多の1000万台突破と高い人気を保っている。ただ、今回のトラブルは現時点で完全に解決してはいない。アップルが真摯な対応を怠れば、利用者の不満が一気に爆発しないとも限らない。