文化庁は2014年9月24日、2013年度の「国語に関する世論調査」の結果を公表した。名詞や英単語などに「る・する」を組み合わせて動詞化した造語の使われ方について初めて調査したところ、電子レンジで加熱する意味の「チンする」は90%以上の人が使っていることが分かった。
調査は2014年3月に実施し、全国16歳の男女約3500人に尋ね、約2000人から回答を得た。
10の造語について聞いたことや使ったことがあるかを質問したところ、「使うことがある」の回答率は「チンする」が90.4%で最も高く、次いでなまけるという意味の「サボる」が86.4%、喫茶店やカフェなどに入るという意味の「お茶する」が66.4%だった。一方、タクシーに乗るという意味の「タクる」、けなす、否定するという意味でディスリスペクトが語源の「ディスる」はともに1割未満にとどまった。
年代別で差が大きい語もあり、「ディスる」を「使うことがある」割合は16~19歳および20代では3割以上となっているが、30代以上では1割満たず、50代、60代、70代では1%未満だった。
慣用句の意味に関する選択式調査では、「まんじりともせず」の正しい意味「眠らないで」を選んだのが28.7%だったのに対し、「じっと動かないで」という誤った意味を選んだ割合が51.5%にのぼった。他、「世間を渡ってもまれてきた結果ずる賢くなっている」ことを意味する「世間ずれ」は55%が「世間の考えから外れている」と誤答、「喜んでする」という意味の「やぶさかではない」は43.7%が「仕方なくする」と誤答し、ともに正答の割合を上回った。