仁川アジア大会のバドミントン男子で、試合会場の空調設定が「ホーム」の韓国に有利になっていたとして、日本チームが抗議の声をあげている。日本チームにとっては「向かい風」が吹き、対戦相手の韓国に有利に働いた可能性があり、インドネシアのチーム関係者も「風の問題がある」と不満を漏らしている。
ただ、韓国メディアの大半は、これらの疑惑に対し日本メディアを引用する形でしか伝えておらす、日本側の主張が「言いがかり」に近い形で受け止められている様子だ。
「球が甘くなって、相手の球が追い風に乗って威力を増してくる」
この「風」問題が初めて表面化したとみられるのが、2014年9月21日に行われた準々決勝の日本-韓国戦。風向きがどのように影響したかは明らかではないが、エースの田児賢一選手が韓国に逆転負けしている。
この問題は、NHKが翌9月22日夜のニュース番組で報じ、問題化した。田児選手はNHKに対して、
「1ゲーム目の時は風があまり吹いていない状態で、2ゲーム目に入って途中からいきなり風が吹いて、ちょっと戸惑いがあって...。球が甘くなって、相手の球が追い風に乗って威力を増してくるので...」
と訴えた。隣のコートで試合をしていたインドネシアのコーチも、NHKに対して、
「風に問題があり普通ではなかった」
と不可解さを隠さなかった。
中央日報が9月23日に報じたところによると、大会組織委員会は意図的な風の操作を否定。組織委員会の説明によると、会場の空調装置は風の強さを調整する仕組みになっていないのがその理由だ。9月20日には電力消費量オーバーで停電が起きたため、翌21日には「空調を1時間動かして30分止める」といった動作を繰り返したという。仮に組織委員会の説明が正しいとすれば、空調を動かしている時間帯に日本側に不利な風が吹いた、ということになりそうだ。