中国もハワイなどへの国際線を増便
国土交通省によると、羽田空港の2013年の年間乗降客数は約6857万8000人で、開港以来最多となった。このうち、国内線は約6060万人、国際線は約797万人。2010年に国際化され、14年3月の国際線の発着枠拡大で、「さらに利用者が増え、14年は7000万人の大台突破が期待できる」(国土交通省)とみている。
一方、成田空港の年間乗降客数は約3246万5000人。このうち、国内線は約482万人。国内17の空港に拡大中で、毎日約80便が飛んでいるが、羽田空港と比べると圧倒的に少なく、「ハブ」としての機能は弱かった。
少なくとも、日本の地方空港から乗り換えて海外へ出かける人にとって、韓国・仁川空港を経由する必要は薄れてきたのかもしれない。
ちなみに、国際空港評議会(ACI)の調べによると、羽田空港の乗降客数は世界第4位。仁川空港は29位(いずれも2012年)にランクされている。
さらに、韓国の仁川空港がハブ空港として曲がり角にあるのは、日本からの利用者が減っているだけではないようだ。
これまで国内線に重点を置いていた上海浦東国際空などの、中国の空港が国際線の直行便を増やしたことで、仁川空港を経由して米州などに向かう中国の乗り換え客も減っているという。朝鮮日報によると、2013年9月から14年2月にかけて、仁川空港を経由して米州を往復した中国の乗り換え客は前年同期に比べて5万1000人減少した。
たとえば、これまで中国からハワイへ出かけていた人の利用が減っているようだ。中国からハワイへの直行便は、中国東方航空が2011年8月に上海‐ホノルル便を運航。さらに増便となったほか、14年1月には中国国際航空が北京‐ホノルル直行便を週3便飛ばすようになり、4月にはハワイアン航空が週3便ホノルル‐北京直行便を飛ばしている。直行便が増えることで、中国から仁川空港を経由する利用者はさらに減る可能性がある。