大人気キャラ「ふなっしー」をパクったようなキモキャラ「ねば~る君」が茨城県に登場し、ちょっとした騒ぎになっている。茨城県と納豆のPRをしているが、県の非公認キャラという点が「ふなっしー」と同じだ。
パクリだとの批判が出る一方で、「ふなっしー」を研究し尽くして作られていると評価する人もいる。強烈なキャラや演出の奇抜さから、今後は「ふなっしー」の地位を脅かす存在になる可能性もある。
ふなっしーのことは「尊敬してるネバよ。もちろん」
「ねば~る君」は大豆の父親と納豆菌の母親から生まれた納豆の妖精で、納豆を世界中の人に好きになってもらうために存在している。体の色は納豆色で、納豆を覆う容器「わらづと」のような頭をしている。「取材は楽しかったネバ?」「子供ウケには自信あるネバよ?」と語尾に「ネバ」を付けて話すのも特徴だ。
最近テレビに出る機会も増えていて、2014年9月21日には日本テレビ系「行列のできる法律相談所」に出演した。登場した直後にタレント陣内智則さんから、
「ちょっと『ふなっしー』に影響され過ぎちゃいます?」
などと言われてしまった。「ふなっしー」好きで有名な弁護士の大渕愛子さんからは、
「似ているだけあってちょっと可愛いとは思うけど、『ふなっしー』のパクリですよね」
とはっきり指摘された。「ねば~る君」は、
「尊敬してるネバよ。もちろん」
などと返した。
人気キャラにあやかろうと二番煎じ三番煎じのキャラが生まれるのはよくあることだが、「ふなっしー」の偽物が現れたと騒ぎになったのはこれが初めてではない。13年12月には千葉県銚子市のキャベツをPRするキャラが波紋を広げた。吉本興業のお笑いコンビ「キャベツ確認中」が同市のキャベツ大使に任命された。これをきっかけに、ネタとして黄緑色の着ぐるみを作り「ふなっしーの生き別れの妹」とキャベツの妖精「きゃべっしー」の姿を披露、パクリだとして苦情が殺到した。同市は「きゃべっしー」は公認していないと弁解したうえ謝罪し、「きゃべっしー」は姿を消すことになった。
茨城県との関係は「共にPRしていく仲間」のようなもの
そんなこともあり、今回「ねば~る君」の姿や仕草を見た視聴者からは、
「『ふなっしー』のパクリなので好きじゃない」
「こんなん ふなちゃんの営業妨害や」
といった批判が出た。しかし、それなりに興味を示した人も多い。梨の妖精を納豆の妖精に置き換えただけの完全なモノマネとは言えない、という。例えば「ねば~る君」は普段の身長は1メートルほどだが、嬉しいことがあると身長が上に3メートルに伸びる。口からグッズなどが出てくる。舌も8メートルほど延び、涙を流したり目がハートになるなど表情を変えることもできる。「ふなっしー」にはない着ぐるみの「機能」が多彩だ。そのため「行列のできる法律相談所」では、
「『ふなっしー』を参考にして考えに考え尽くされたキャラクターなのだろう」
という感想も漏れていた。視聴者も「ふなっしー」以上に強烈なキャラであり、今後何が飛び出すか分からないから「ふなっしー」越えもあるのではないか、と期待している人もいる。
実は「ねば~る君」は県の非公認キャラであり、運営には一切関わっていないということになっている。ただ、県との関係はあるようで、今後ビッグになるためのバックアップも期待できる状態になっている、という。例えば、茨城県が運営するインターネットテレビ「いばキラTV」に冠番組を持っていたり、県の公式キャラ「ハッスル黄門」などと一緒にイベントにも登場したりしている。県の広報広聴課に聞くと、
「茨城県や県の特産品の納豆をPRしてくれていますから、私たちの仲間としてのお付き合いをしています」
ということだった。こうした行政との親和性も「ふなっしー」とは少し違っているようだ。