クリーンディーゼルとして生まれ変わる
ディーゼルは1980年代、国内の新車販売のうち5~6%を占めるなど一定の需要はあった。だが「黒煙をまき散らす」「音がうるさい」というデメリットがあったことも事実。環境規制の強化や、軽油とガソリンとの税格差縮小などの政策変更により、2000年代には一時市場から姿を消した。
この間、欧州では技術革新が進み、新しい燃料噴射システムなどが次々と開発された。粒子状物質(PM)の排出量を抑えることで、クリーンディーゼルとして生まれ変わり、欧州での乗用車販売のうち、半分以上はディーゼル車だ。BMWやメルセデス・ベンツなどのドイツ勢はディーゼル車を積極投入しており、BMWは「ミニ」のディーゼルモデルを今月から日本で発売している。
日本自動車工業会によると、2013年度のクリーンディーゼル乗用車の販売台数は7万8384台で、4年前の25倍に拡大。電気自動車(EV)1万5594台▽プラグインハイブリッド車(PHV)1万2972台を大幅に上回っている。だが101万5356台を販売したHVの8%弱に過ぎず、まだ普及途上にある。
国内メーカーではマツダのほかに、日産自動車や三菱自動車が一部車種でディーゼル車を販売しているのみ。トヨタ自動車は2015年末までに投入する方針で、デミオがヒットすれば、開発、販売競争が加速する可能性も秘めている。