自動車メーカーとして痛いところを突かれている
確かに、今回の摘発でも、トヨタ自動車も含む日本の完成車メーカーも調査を受けており、特に問題視されているのは補修用部品の価格といわれる。新車販売では値引き競争が激しい中、アフターサービスが自動車ディーラーの貴重な収益源になるので、「純正部品」として補修部品価格を高く設定しているというわけだ。
当局の調査を受け、すでに独アウディやベンツ、米クライスラー、トヨタやホンダが中国企業とつくる合弁メーカーが値下げ方針を打ち出しているのは、自動車メーカーとして痛いところを突かれている証ともいえる。進出企業は独禁法について、日米欧並みの法令順守体制を中国でも築くことが必須になるのは間違いない。
政府としては、中国が国際ルールとかけ離れて独自路線を歩まないよう、今こそ政府間の対話を進める必要もあるだろう。中国企業も世界に進出しているこの時代、中国が本格的に独禁政策を展開してきたことは、国際的な政策の整合性を中国も無視できないということにもなる。日米欧としては、中国の国有企業への目に余る優遇措置の撤廃などを迫っていく「好機」が訪れたのかもしれない。