「モデルへの性的搾取はない」と弁明
こうした動きが日本のネット上でも一部で報じられると、カナダなどで「日本の伝統」だとされたことへの疑問が相次いで寄せられた。
「これは日本の伝統じゃないぞ」「温泉宿余興ですから」「またまた外国から『日本はこういう国』と思われることが起きた」
女体盛りについては、一説によると、「わかめ酒」とともに、江戸時代にそのルーツがあるともされるが、起源についてはよく分かっていないらしい。しかし、「日本の伝統」というよりも、かつて社員旅行などで行った温泉街で、宴会の余興として一部で行われていたことがあった程度のようだ。
欧米では、「ボディー・スシ」などとして、以前から一部でサービスが行われていたと報じられている。2012年7月には、イタリアの全国紙がローマ市内の日本料理店が始めた女体盛りサービスについて「日本の伝統」と報じ、物議を醸した。当時の朝日新聞記事によると、在イタリア日本大使館が「日本の食文化や習慣とは関係がない」「商売目的ででっちあげられた迷信だ」と全国紙に抗議する事態になった。この店の経営者は、香港出身の中国人女性だったという。
カナダの店を経営しているのも、日本人ではなかった。経営者のマイケル・キーナン氏は、カナダの日本食レストランで2年間働いた経験をもとにサービスを始めた。バンクーバー・サン紙は、インタビューをしており、キーナン氏は、性的搾取かと聞かれると、女体盛りにルールがあることを挙げて否定し、「これまでモデルを不快にさせたことは一度もない」と説明した。モデルは、陰部や乳首に両面テープで花を付けて隠しているともいう。食べ物も消毒された葉の上に載せているとして、衛生面でも問題はないと強調していた。
ただ、女体盛りについては、根拠などは示さずに、「芸者たちのサブカルチャーであり、武士や漁師の勝利祝いとして芸者の宿で行われていた」と説明していた。