オンラインスロット、本当に「合法」なのか? 今のところ「お咎めなし」だが...

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「合法オンラインスロット」の人気が上昇している。

   わざわざ「合法」とうたっているように、オンラインスロットは、場合によっては「違法」となる可能性がないわけではない。「合法」というが、本当に大丈夫なのだろうか――。

「オンライン」だから、24時間いつでもどこでもできる

まだ警察は動いていないようだが...(写真はイメージ)
まだ警察は動いていないようだが...(写真はイメージ)

   周知のように、現在の日本で賭博行為は禁止されている。一般に、グレーゾーンとみられているパチンコやスロットは「遊戯」であり、出玉はいったん商品(ボールペンなど)に交換され、その商品を景品交換所で現金に換える「三店方式」をもって、「合法」とみなされている。

   このオンラインスロットは、オンラインゲームとソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の機能をもったコミュニティサイト。現金でポイントを購入してスロットゲームに参加し、本選への参加権を取得。本選で獲得したサイト内通貨(GOLD)を景品と交換できる仕組み。

   パチンコの「三店方式」のように、直接現金には換金できないが、ポイントを溜めると電子マネーやアマゾンのギフト券、物品に交換できる。現金に交換せず、電子マネーやギフト券、物品と交換することで、「合法」とうたっているようだ。

   最近はそんなオンラインスロットに、パチンコやスロットマシンの愛好者が集まりだしているらしい。カジノ研究の第一人者、木曽崇氏は「『合法オンラインスロット』とやらが拡大しているようです」と題するBLOGOS(2014年9月14日付)のコラムで、「合法オンラインスロット(自称)」について、「これまたヤヤコシイものが出てきたなぁ」と漏らしている。

   インターネット上にはスロットマシンのほか、ポーカーやブラックジャックなどのカードゲームが楽しめるサイトが少なからず存在。日本語に対応している「推薦オンラインカジノ」なるサイトもあるほどだ。

   オンラインスロットは流行の無料オンラインゲームのようにもみえるが、お金を賭けられるのが「売り」。パソコンの画面上でキレイに、かつスムーズに動くうえ、インターネットなので外に出かける必要もない。24時間いつでも、どこでもスロットマシンを打てるのだから、愛好者にはたまらない。

オンラインスロット、「違法でないとは簡単には言えない」

   とはいえ、オンラインスロットはギャンブルなのかゲームなのか、違法行為なのか合法なのか、肝心なところがよくわからない。

   たとえば、日本人が海外旅行をしたとき、旅行先でギャンブルをすることは違法にはならない。これは日本人の国外犯処罰規定(刑法第3条)に入っておらず、合法と認められた国のルールに従っているからだ。

   一方、インターネット上でギャンブルが楽しめる「オンラインカジノ」を開くことは、日本では認められていないが、合法と認められている海外のカジノであれば、オンラインでも「合法」とみなされる、との見方もある。半面、日本に居ながらにして遊べるという点では「違法」とも考えられる。

   なんとも曖昧だが、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士によると、「賭博」とは「偶然の事情に関して財物を賭け、勝敗を争うこと」をいい、「財物」には現金以外の有価物も広く含まれる、としている。

   このオンラインスロットの場合、「本選への参加権を介するとしても、現金で購入したポイントを賭け、スロットの結果によって、これが電子マネーなどの景品と交換できる権利に変化したり、失われたりするのであれば、まさに『賭博』をしていることになります」と、賭博罪が成立しうるという。

   さらに、「犯罪行為の一部が日本国内で行われれば、罪が日本国内で犯されたものと考えられています。事業者が海外にあり、海外にあるサーバ上で情報処理がされていても、日本国内からそれに参加している人がいる以上、日本国内で賭博罪が犯されているものと考えられます」と説明する。

   「違法でない」とは簡単にはいえないようだし、事業者、利用者とも処罰される可能性がないとはいえないようだ。

   現在のところ、「処理が国外のコンピューター上で行われている賭博行為について、警察は検挙の対象としていないと思われます」(岩沙好幸弁護士)。ただ、処理が国内のコンピューター上で行われているケースでは、ある日突然、警察が摘発しはじめることがあるかもしれない。

姉妹サイト