オンラインスロット、「違法でないとは簡単には言えない」
とはいえ、オンラインスロットはギャンブルなのかゲームなのか、違法行為なのか合法なのか、肝心なところがよくわからない。
たとえば、日本人が海外旅行をしたとき、旅行先でギャンブルをすることは違法にはならない。これは日本人の国外犯処罰規定(刑法第3条)に入っておらず、合法と認められた国のルールに従っているからだ。
一方、インターネット上でギャンブルが楽しめる「オンラインカジノ」を開くことは、日本では認められていないが、合法と認められている海外のカジノであれば、オンラインでも「合法」とみなされる、との見方もある。半面、日本に居ながらにして遊べるという点では「違法」とも考えられる。
なんとも曖昧だが、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士によると、「賭博」とは「偶然の事情に関して財物を賭け、勝敗を争うこと」をいい、「財物」には現金以外の有価物も広く含まれる、としている。
このオンラインスロットの場合、「本選への参加権を介するとしても、現金で購入したポイントを賭け、スロットの結果によって、これが電子マネーなどの景品と交換できる権利に変化したり、失われたりするのであれば、まさに『賭博』をしていることになります」と、賭博罪が成立しうるという。
さらに、「犯罪行為の一部が日本国内で行われれば、罪が日本国内で犯されたものと考えられています。事業者が海外にあり、海外にあるサーバ上で情報処理がされていても、日本国内からそれに参加している人がいる以上、日本国内で賭博罪が犯されているものと考えられます」と説明する。
「違法でない」とは簡単にはいえないようだし、事業者、利用者とも処罰される可能性がないとはいえないようだ。
現在のところ、「処理が国外のコンピューター上で行われている賭博行為について、警察は検挙の対象としていないと思われます」(岩沙好幸弁護士)。ただ、処理が国内のコンピューター上で行われているケースでは、ある日突然、警察が摘発しはじめることがあるかもしれない。