新日本プロレス「ネット重視」でV字回復 FBやツイッター、動画配信を駆使、新顧客呼び込む

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売上高550億円の米WWEを目指す

   2005年11月、新日はゲーム会社ユークスに子会社化され、経営立て直しを図るが思うような成果は上がらなかったようだ。当時、新日所属で現場責任者も務めていた蝶野正洋選手は自身のメルマガ(「アスキー.jp」が2012年2月27日に再掲)の中で、ユークスについて「最初から俺はソリがあわなかったな。プロレスに対する方向性、興行に対する方向性もまったく感じられない、いや無かったんだと思うよ」と厳しい評価を下している。「新日再生」を言うものの、具体的に何をどうするか提案が出てこなかったそうだ。

   その結果、2012年にブシロードが5億円で買収する。2度目の「身売り」はしかし、効果が表れてきているようだ。

   木谷氏は、米プロレス団体WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)を目標とする。ニューヨーク証券取引所に上場し、米国だけでなく欧州や日本にも事業を広げる業界最大手だ。2013年度の業績は、売上高5億800万ドル(約554億円)、純利益280万ドル(約3億520万円)と黒字決算となっている。売上高のうち約75%は興行とテレビ放映権による収入が占めるが、ネットでの有料放送やグッズ販売による「デジタルメディア」収入が全体の約7.5%と伸びてきている。新日がネット戦略に力を入れるのも、こうした面をお手本にしているかもしれない。

   WWEは世界的にマーケットを広げているが、新日も将来は新市場の開拓を視野に入れているそうだ。フェイスブックが4か国語で運営されているのは、その表れだろう。特に中国語のページがある点は、木谷氏がインタビューで「プロレスの観戦文化がある台湾や東南アジアへの展開を考えている」と答えている点を裏付けていると言えるかもしれない。

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