ソニー、ついに「無配」に転落... これから何で食っていくのか?

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好調なのは「金融事業」ではあるが...

   苦戦しているのはモバイル事業だけではない。ソニーのエレクトロニクス事業は3年連続で赤字。かつて、「世界のソニー」といわれ、花形だったテレビ事業は10年連続の赤字で、7月に分社したばかり。光明が差したようにみえたモバイル事業もコケては、なかなか展望は開けない。

   目下のところ、ソニーの業績を支えているのは、「PlayStation 4」の販売が好調なゲーム事業とエンタテイメント(映画・音楽)事業、それと金融事業だ。

   なかでも、金融事業はソニーの中で最も好調な事業といえる。ソニーの金融事業は、ソニーフィナンシャルホールディングス(HD)と、その子会社であるソニー生命保険とソニー損害保険、ソニー銀行によって構成されている。2014年3月期の金融ビジネス収入は、ソニー生命の大幅な増収もあり、前年同期比15.6%増の1兆77億円と伸びている。

   しかし、「ソニー」の看板事業に、ゲームやエンタテイメント、金融はなりにくいのかもしれない。

   前出の経営コンサルタントの大関暁夫氏は、「経営不振の企業が立て直しのためにとる手段に、不採算部門の売却があります。ただ、いまのソニーにそれはできません。なぜなら、不採算部門がこれまで会社を支えてきた、本業のエレクトロニクス事業だからです。この事業をさらに売却して、好調なエンタテイメントや金融の会社になることなど、ソニーを知る人であれば、『あり得ない』と思うでしょう。そのことがソニーの立て直しを余計にむずかしくしているのだと思います」と話す。

   「ソニー再生」について、大関氏は「平井社長がけじめをつけること。そして、組織を見直し、原点回帰する。それしかありません」という。

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