スマホ向けのゲームに対抗できるのか
不振の要因は、日本人に合ったゲームを出せなかったこと。欧米ではリアルな表現の戦争ゲームなどが人気だが、日本ではあまり受け入れられなかった。そこでMSは日本の中小ゲーム開発会社にも開発ツールを提供し、「日本発のヒット作」を生み出そうともくろんでいる。
ただ前機種が出た8~9年前とは、市場環境が大きく異なっている。市場全体が縮小しているのだ。例えば13年11月発売のソニー「PS4」は、歴代最速で世界販売台数が1000万台を突破したが、国内では14年2月の発売から半年で66万台しか売れていない。任天堂「Wii U」も、発売から1年8カ月で188万台だ。「Xbox」が楽に戦える環境ではない。
この間、台頭してきたのは、手軽に楽しめるスマートフォン向けのゲームだ。
コンピュータエンターテインメント協会の「2014CESAゲーム白書」によると、2013年のスマートフォン向け「ソーシャルゲーム」の市場規模は3591億円で、2年前の約10倍に急成長。一方、携帯型ゲーム機を含めた家庭用ゲーム機の市場規模(ハード、ソフト計)は4095億円で、2年前から18%減った。
スマホのおかげで、ゲームを楽しむ初心者層が広がっているともいえる。初心者層を、どうゲーム専用機に誘導するか。MSだけでなく、ゲーム機メーカーに突きつけられた共通の課題だ。