吉田調書問題は第三者機関「報道と人権委員会(PRC)」が審理
「『誰が、どのような意図で』情報を提供したか」は、誤報が起きた経緯の検証には重要な要素だが、検証機関が取材班に情報源の開示を迫ることは現実的ではないとみられる。だとすると取材源の秘匿は可能ということにもなる。
吉田調書をめぐる誤報については、朝日新聞が同社の第三者機関「報道と人権委員会(PRC)」に審理を申し立てている。
PRCは12年11月、週刊朝日の橋下徹・大阪市長をめぐる連載について「見出しを含め、記事は橋下氏の出自を根拠に人格を否定するという誤った考えを基調とし、人間の主体的尊厳性を見失っている」とする見解をまとめている。これを受け、版元の朝日新聞出版は社長が辞任している。14年6月にも、いわゆる「ロス疑惑」をめぐる報道について訂正すべきだとの勧告を出している。
現在のPRCは早大教授(憲法)の長谷部恭男氏、元最高裁判事で弁護士の宮川光治氏、元NHK副会長で立命館大学客員教授の今井義典氏の3氏で構成されている。