覚せい剤取締法違反の罪などで懲役3年、執行猶予4年の判決が下されたASKA被告の復帰をめぐり、2014年9月15日にフジテレビ系で放送された「バイキング」で出演タレントたちが議論を交わした。
司会の坂上忍さんをはじめ、否定的な意見もあったが、多くは「復帰すべき」と回答した。擁護する意見の多さに、視聴者からは「芸能界甘すぎる」と反発を招いた。
6対3で復帰容認派が上回る
番組のコーナー「坂上忍のバッサリNEWS」で「復帰すべきか?否か?」とのテーマで話し合いが行われた。「ガチな討論会」(坂上さん)として、9人の出演者たちがそれぞれの考えをフリップで提示すると、6対3で復帰容認派が上回った。
容認派で口火を切った野々村真さんは「ASKAさんは歌を歌って生活している。家族のためにまず歌うべき」と主張。女優の遼河はるひさんは「刑期を終えて、どんな曲を作るのか気になる。いい曲ができたら皆さんの前で歌ってほしい」と続いた。お笑いコンビ「ハマカーン」の浜谷健司さんは、自身もコンビを組んでいることから、「CHAGEさんのために復帰してほしい」と熱く語った。
さらにIKKOさんは「すべき。マストです」と主張。「支持してくれたファンのために、一番の反省は世の中にさらされて、逃げずに(歌手活動を)やること」と復帰すべきだと力説した。
出演者の中にも復帰すべきではないという意見はあった。いとうまい子さんは「一般社会で考えると、会社はクビになるし、元の地位ははく奪される」という。坂上さんは容認派の多さに「同じ業界にいるんだから擁護したらだめなんだよ!だめなことをしたら馬鹿野郎でいいんだよ!」と怒った。
視聴者「復帰すべきという芸能人が多いのにびっくり」
坂上さんが「現段階じゃバツだよ」と復帰を否定してコーナーを強引に締めくくったが、相次ぐ擁護論に違和感を覚えた視聴者は多いようだ。
「復帰すべきという芸能人の意見が多いのにびっくり」
「擁護して好感度上がるとでも思ってるのかな?」
「あり得ない、芸能界甘すぎる。仲間意識が間違った方向に向いてる」
といった批判が視聴者のツイッターに相次いで投稿された。
これまでもASKA擁護を展開したタレントは厳しい批判にさらされてきた。
交友関係があり、薬物使用疑惑の報道後に本人とやり取りをしていた歌手のNAOMIさんは、「色々と悪意のある報道がありましたが...全く至って本人は『動じず』です」とブログに書くなど、疑惑を一貫して否定してきた。しかし、逮捕後は批判が寄せられてきたことに触れ、「『嘘』を伝えた事になってしましました。本当に申し訳ございませんでした」「全て私が一番悪かったのです」と謝罪に追い込まれた。
ASKA被告が公判で愛人の栩内(とちない)香澄被告への未練を口にしたことについて、テリー伊藤さんが出演番組で「奥さんよりも栩内被告のことを取ったというのは理解できるところがある」と擁護した際も、視聴者からはバッシングを浴びていた。
バイキングの視聴者からも復帰容認に賛同する声はほとんど見られない。芸能人と視聴者の考え方には大きな溝があることは明らかだ。