2014年8月の首都圏マンション発売戸数は2110戸と、前年同月に比べて49.1%減と大きく落ち込んだ。不動産経済研究所が9月16日に発表した。減少幅はリーマン・ショック直後の2008年9月(53.3%減)以来5年11か月ぶりの水準だった。消費増税前の駆け込み需要による反動減の影響とみられる。
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の発売戸数が前年実績を下回るのは7か月連続。前年の8月は同年9月末までに購入契約すれば消費税率が5%で済んだため、駆け込み需要が発生していた。東京都区部で、目玉となる新規の大型物件の供給数が少なかったことも響いた。
実際に売れた戸数の割合を示す月間契約率は前年同月比11.9ポイント低下の69.6%。2013年1月(69.2%)以来1年7か月ぶりに好不調の目安となる70%を下回った。1億円超の高額物件などが売れた東京都区部の契約率は72.7%だったが、埼玉県(57.1%)や千葉県(68.7%)などで販売が振るわなかった。なかでも、都内以外の物件の苦戦が目立つ。
建築費の高騰でマンション価格は上昇が続いている。1戸あたりの平均価格は5685万円、1平方メートルあたりの単価は77.5万円だった。8月単月では統計を開始した73年以降で最も高かった。