モスクワの救急隊出動が遅れたと批判相次ぐ
日本の場合、国土交通省の運輸安全委員会が日本の領空で起きた事故や日本の航空会社が起こした事故について報告書を発表している。それによると、過去に機内で乗客が死亡した事例としては、1998年3月にホノルルから成田に向かっていた日本航空(JAL)機のケースが最も新しいようだ。客室乗務員が乗客の男性(84)の異常に気づき、声をかけたが応答がなく、乗り合わせた看護師が手当てを行った。成田空港に到着後病院に搬送されたが、死亡が確認されている。死因は心不全だとされている。
これは16年も前の事例だ。だが、ロシア上空では今回の事例を含めると、似たような事例が2か月で3回も起こっている。
8月18日には、バルセロナ発ロシア東部チェリャビンスク行きの飛行機の機内で男性客(24)の乗客の具合が悪くなり、モスクワのシェレメチェボ空港に緊急着陸したが、結局乗客は死亡。モスクワの救急隊の出動が遅かったとして批判を浴びた。
9月に入ってからも、フランクフルトからカザフスタンのアスタナに向かっていた飛行機のドイツ人乗客の具合が悪くなり、モスクワのドモジェドボ空港に緊急着陸。やはり乗客は死亡し、医師の不手際も指摘された。
この2つの事例を受けてロシア当局が空港での救命活動の手順見直しを進めていた矢先だっただけに波紋は大きい。当局は現地に調査官を派遣し、対応に問題がなかったか調べている。