韓国開催のアジア大会でサッカー日本代表に「洗礼」 エレベーター故障の「ポンコツ宿舎」あてがわれる

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日本がホームで「洗礼」浴びせた例「聞いたことありません」

   「アウェーの洗礼」は通常、大会運営者の手によるものではないと話すのは、サッカージャーナリストで「フットボールレフェリージャーナル」を運営する石井紘人氏。練習グラウンドが荒れ放題で石ころだらけ、滞在先のホテルでは宿泊客が騒ぎ、テレビの音量を上げて選手の睡眠を妨害する、部屋には見知らぬ相手から頻繁に電話がかかってくる――。こうした行為はおおむね、自国を応援する熱狂的なサポーターらの仕業というのが多いという。

   「原則的に、スポーツと政治は切り離すのが前提」である以上、たとえ二国間関係が良好でなくても、ほかの参加国と比べて著しく不利な環境下に置くことは考えにくいそうだ。日韓関係は政治的には冷え込んでいるが、選手村に宿泊しているのは他国の選手も同じはず。日本だけが突出して「嫌がらせ」されてはいないのではないかと石井氏は話す。

   ただ国同士の関係がこじれていれば、相手国に対して好印象を持ちにくいのは事実だろう。そのため「積極的に厚遇しようとは一切思わないでしょうね」と指摘する。むしろ、修理を頼まれても後回し、サービスの質は低いまま、といった態度で臨む可能性の方がありそうだ。

   選手村の宿泊施設は、日本代表が割り当てられた部屋が「たまたま」ひどく、運が悪かっただけかもしれない。だが石井氏は、エレベーターが壊れて22階まで歩かされた例は過去に聞いたことがないと言う。仮に韓国側が意図的に「ポンコツ」をあてがったとしたら、悪意ありととられても仕方がない。

   「前例」もあった。2013年7月に韓国で行われた東アジア杯。韓国側から日本代表に提供された練習場は、周りから「丸見え」の環境下だった。対戦国は日本の練習風景を楽々と偵察、さらには韓国選手の宿舎からも見渡せる場所だったという。また、出場した豪州や中国と同じホテルに詰め込まれた。だが、男子では日本が決勝で韓国を破り優勝。悪条件をはね返してみせた。

   日本がホームで試合を開催する際、相手国チームに「アウェーの洗礼」を浴びせることはあるのだろうか。石井氏は「記憶にありません」。練習環境や宿泊施設が整備されていて「オンボロ」があまり見当たらないうえ、サポーターも礼儀と節度をもって相手選手の邪魔などしないからだ。「おもてなしの精神」で「正々堂々スポーツマンシップにのっとり」試合に臨む日本流を、昔も今も貫いているということだろうか。

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