大阪延伸が完成すれば工費は9兆300億円
ここへきてクローズアップされている問題の一つが工費の上昇。JR東海は全額を自社でまかなう計画で、先述したように名古屋までが5兆5235億円と途方もない金額だ。大阪延伸が完成すれば工費は9兆300億円に上る。
リニアが東海道新幹線のように一気に大阪まで開業せず、工期を名古屋までと大阪までの2期に分けるのは、JR東海の長期債務額がピーク時でも5兆円を下回るようにコントロールし、安定した財務体質を維持するためだ。しかし裏を返せば、それだけ綱渡りでもあることを意味する。例えば借り入れ金利が想定より大幅に上昇する事態になれば、大阪延伸が予定通りいくかは予断を許さない。