サッカー日本代表で、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会を戦った香川真司選手と本田圭佑選手が、所属チームで存在感を見せている。古巣のドルトムント(ドイツ1部リーグ)に復帰した香川選手は、初戦でいきなりのゴール。ACミラン(イタリア1部リーグ)の本田選手も2試合連続で得点と好調だ。
W杯で惨敗し、所属クラブでも不遇だった両選手が、「アギーレジャパン」の中心として次のW杯でリベンジを果たせるか。
トップ下任されて復活、プレーしやすい環境
マンチェスター・ユナイテッド(イングランド・プレミアリーグ)ではスタメンを外される試合の多かった香川選手が、ドルトムント復帰戦でサポーターに「ただいま弾」を決めてみせた。2014年9月13日に行われたホームでの試合は、開始前からスタンドに「シンジコール」があふれた。香川選手はトップ下のポジションで躍動し、「一発回答」してみせた。
「試合中、ずっと鳥肌が立っていた」と喜ぶ香川選手。マンUでの苦悩の日々が嘘のようだ。昨シーズンは出番に恵まれず、2014年6月のW杯では不振にあえいだ。初戦のコートジボワール戦で精彩を欠き、2戦目のギリシャ戦では「不動」と言われたスタメンを外されたほどだ。
マンUでの2シーズン目も最初から「控え組」の扱い。だが、ドルトムントへの移籍が香川選手を生き返らせたようだ。
「フットボールレフェリージャーナル」を運営するサッカージャーナリストの石井紘人氏は取材に対し、「ドルトムントでは、香川選手が最も能力を発揮できるトップ下を任されたのが大きい」と、復活のポイントを語る。チームを離れる前の2012年当時から監督やメンバーが大きく変わっておらず、居心地の良さやプレーのしやすさから心理的負担が軽減されているのではないかと指摘した。
本田選手も、イタリアの名門ACミランで本来の力を見せ始めた。W杯で優勝を公言しながらもグループリーグで1勝もできず敗退。ゴールは決めたものの「口だけ」と厳しい批判を浴び、「戦犯」扱いだった。
ミラン入団1年目の昨年は、本調子が出せずに苦しんだ。チームは今季から監督が交代、それもあってか本田選手は開幕から続けてスタメン出場した。結果は2試合続けての得点だ。9月14日のゲームでは豪快にヘッドでの勝ち越し弾。アシストも決めて勝利に貢献した。「結果を出すことができて、ひとつ前に進めたと思う」と試合後、振り返った。