男の「軽い尿漏れ」、もう悩まない ユニ・チャームや花王が「失禁商品」発売

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   働き盛りの男性たちの多くが経験しているとされる軽い尿漏れ(低失禁)の悩みを解消しようと、ユニ・チャームや花王など日用品メーカーが男性用のパッドやライナーなどを続々と開発し、今春以降、一斉に販売し始めた。

   2025年には65歳の定年制が完全義務化される見通しとなっており、男性たちのより長い「現役生活」を後押ししようとの狙いがある。

市場開拓の機は熟したのかも

働き盛りのサラリーマンに朗報(画像はイメージ)
働き盛りのサラリーマンに朗報(画像はイメージ)

   ユニ・チャームによると、50歳代の男性の約2割が尿漏れを初経験するといい、65歳定年制が定着すれば、少なくない男性たちは尿漏れという悩みを持ちながら15年も社会で働かなくてはならないということになる。現在でも、尿漏れが気になるため、人とのつきあいや外出を控えているという人も少なくないといい、メーカー各社は男性たちの生活を支援しようと、商品開発に乗り出した。

   ユニ・チャームが発売したのは「ライフリーさわやかパッド男性用」。下着に貼り付けるタイプのパッドで、ズボンに漏れないような構造的工夫に加え、つけていても目立たない薄さとした。少量用(20cc、26枚)、中量用(80cc、18枚)、特に多い時も安心用(200cc、14枚)と3タイプをそろえ、いずれも店頭価格は税込み900円前後だ。

   同社は元々、女性用に、軽い尿漏れパッドを1990年代後半に発売、女性用尿漏れ対応商品の市場を自ら作ってきた自負がある。しかし、女性は生理用品を日常的に使っており、尿漏れ対応パッドの使用に大きな抵抗感がないのに対し、男性の抵抗感は強い。

   そもそも男性は役職を持つ50代という年齢で尿漏れを経験することから、「周囲の目を気にして、一人で悩んでいる人が多い」というのが実態だ。同社は2008年に男性用対応商品「メンズガードスリム」を発売したが、広く認知されるには至らず、販売を停止したという苦い経験もある。しかし、今回の新商品発売では「感謝している」という声が男性から多く寄せられているといい、市場開拓の機は熟したのかもしれない。

下着売り場で扱う

   同じように男性たちの悩みに応じようと、偶然にもユニ・チャームと同時期に対応商品「スマートガード」を発売したのが花王だ。花王も10年ほど前から男性たちのニーズがあると見て調査を進めてきたが、隠したがる人が多く、実態がつかめなかったという。だが、最近の調査で「尿漏れで外出ができない」という声が多く上がったことから、発売に踏み切った。

   汗ふきシートのような雰囲気のパッケージにし、生理用品やおむつ売り場ではなく、下着売り場で扱うようにするなど、男性ができるだけ店頭で手に取りやすいよう工夫した。40cc用で小売価格は3枚入りが150円前後、16枚入りが650円前後だ。日本製紙クレシアも「ポイズライナーアタッチガード男性用」(10枚)を同時期に発売した。

   女性用の軽い尿漏れ市場は年間300億円程度と推定されており、男性市場も同規模とも、それ以上になると予想されている。少子化で日用品の国内市場が縮小する中、メーカーにとっては大きな期待ができる潜在市場でもあり、各社はいっそうの新商品開発にしのぎを削ることになりそうだ。

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