「ぜんそくの主因は大気汚染ではない」 川崎市が医務職員の論文発表後に医療費助成見直しを示唆

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「職員の論文は、見直しとは関係がありません」

   その助成対象には、ハウスダストやダニなどのアレルギーによるぜんそくの人も多いとみられている。川崎市の環境保健課によると、ほかのアレルギー性疾患や様々な難病の患者らからは、自分たちも助成されないのは不公平だとの声が出ているという。こうしたことから、医療費助成制度の見直しを今回検討することにしたと説明している。

   報道によると、ぜんそく患者数の増加に伴って、助成を受ける人は月50~60人単位で増えており、2014年6月現在で6000人ほどに達した。14年度予算は1億8500万円が計上されるなど、市の負担にもなっているようだ。

   成人のぜんそくについては、環境省が2005~09年度に行った疫学調査でも、大気汚染との関連が認められなかった。坂元昇医務監の論文は、それを統計的に補完する意図があったのだろうか。

   この点について、環境保健課では、「研究者の論文については、何かを言う立場にはないです」と話した。今回の助成制度見直しに役立てようとしたかについては、「見直しとは関係がありません」と否定した。

   市の見直し示唆について、患者団体からは不満の声が上がっている。

   「川崎公害病患者と家族の会」は、福田紀彦市長の議会答弁を受けて、14年7月3日に「大きく失望した」とする抗議文を市に提出した。川崎公害裁判で大気汚染とぜんそくとの因果関係が認定された経緯を理解していないとして、「患者切り捨て」だと反発し、市長との話し合いを求めている。

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