「吉田調書」で完全暴露された菅元首相のイライラ 怒鳴り声ばかりに「何だ馬鹿野郎」と批判

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「一騎だけで先頭を走るタイプ」「ものすごく苛烈な性格」

   公開された調書には、吉田氏以外の関係者のものもある。読み解くと、菅氏の現地視察には政権執行部ですら全面的に賛成していなかったようだ。

   当時官房長官だった枝野幸男氏(2012年3月25日聴取)は、「政治的には絶対にたたかれます」と考えて菅氏本人に確認したが、それでも行くとのことだったと明かした。パフォーマンスだと言われるに決まっている、「こんなところで東京を離れること自体、どんなに結果がよくてもたたかれるのはよくわかっていました」と述懐するが、官邸に情報が入ってこないため「誰かが行くしかない」となればその通りだろうとも思ったという。「一騎だけで先頭を走っていくタイプのリーダー」である菅氏が現地を訪問し、枝野氏が官邸に残って全体を見た方が「政治的な評価という意味では絶対にマイナスだけれども、正直その方がものは回るわなと思いました」と本音を漏らした。

   事故発生時は首相補佐官だった細野豪志氏(2011年12月14日聴取)は、「私は反対だった」と率直に語っている。だが「絶対にあの人は行くと思った」とも述べた。性格的に「行くと決めたら行く人」なので、本人に直接は反対しなかったそうだ。12、3年の付き合いのなかで「ものすごくあの人は苛烈な性格」と評している。現地に足を運んだことで腹を決めたと思うと話す半面、「今から考えたらものすごく大きなリスクだったですね」とも口にしている。

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