日本経済全体に与える影響も大きい
いずれの新車投入も、消費増税前の駆け込み需要の反動減対策の意味合いが強い。しかし、自動車メーカー幹部の顔は今一つさえない。「底入れ感」がなかなか数字になって出てこないたからだ。
実際、9月1日に発表された8月の国内自動車販売は、自動車業界にとって衝撃的だった。前年同月比9.1%減の33万3471台で、消費税増税直後の4月(5.5%減)を大きく超える減少幅を記録したためだ。特に近年の国内需要をけん引した軽自動車が12万6865台と、15.1%減に沈んだ。昨年に8月として過去最高の販売を記録した反動もあるが、国内需要の弱さを象徴する結果となった。
また、主要ブランド別では日産自動車が21.0%減、トヨタ(ダイハツ、日野自動車、レクサス除く)が12.%減とこちらも厳しい結果。4月の消費増税前に注文を受けた分を納車する動きが一巡し、増税による販売減がより顕在化してきたと言える。8月は西日本を中心に台風や大雨による天候不順が影響したとの見方もある。
マツダも9月以降に主力車デミオの新型車を発売する方針で、自動車販売は日本経済全体に与える影響も大きいだけに、新車投入の効果がどう出るか、自動車各社は不安を抱きながら消費者の動向を注視している。