桑沢デザイン研究所インダストリアル科卒
工業デザイナーとしての経歴は隠していた訳ではない。公式ホームページのプロフィールを見ると、多くのデザイナーを輩出した専門学校、桑沢デザイン研究所のインダストリアル科を卒業したことや、デザイナーとして会社勤めをしていたことが明記されている。
また、「デザイナーとしての経歴」という項目が設けられており、浜松でヤマハやスズキなどの特殊ボディーデザイン、焼肉レストランやバーの店舗デザインを手がけたことが紹介されている。
一見すると怪談と工業デザインはまったく違うジャンルのように思われるが、秋田魁新報のインタビュー(12年9月3日付)に稲川さんはこう答えている。
「デザイナーの感性が怪談に生きることも大きいですよ。デザインは、どこかでバランスを取ったり強調したりする。人間が使うものや生活する空間なので、とんでもないものはつくれないけど、どこかで異質なものを探している。実は怪談も同じ。聞く状況をデザインして話の空間をつくっていくんですよ」