浮いた資金の使い道は「預金者への還元」か?
預金保険料は預金量に料率を掛けて算出するため、預金量が多いほど多額になる。現在、金融機関が支払う保険料の総額は年間約6000億円。このうち、3メガバンクを含む5大銀行グループだけで年間約2000億円と3分の1を拠出している。保険料率が0.05%程度に下がった場合、保険料の総額は年約4000億円に減る計算。金融機関の負担軽減に直結するだけに、0.001%をめぐる攻防が繰り広げられる見通しだ。
保険料率の引き下げで浮く資金の使い道も論点になりそう。政府は引き下げが実現すれば、金融機関に負担軽減分を利用者へ還元するよう求める考えで、預金者の不満が強い過去最低水準の預金利息の引き上げに充てる案や、ATM(現金自動受払機)手数料を引き下げる案などが浮上している。
これに対し、金融業界は「預金保険制度は経営破たんに備えるのが目的。破たんリスクが下がったからといって顧客に還元するのは筋が違う」(メガバンク幹部)と警戒を強めている。
検討会は2015年3月末までに結論を出す方針だが、まだ紆余曲折がありそうだ。