日本人初の快挙に、日本中が沸いている。全米オープンテニスは2014年9月6日(日本時間7日)、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで男子シングルス準決勝が行われ、錦織圭選手(24)が世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(27、セルビア)をセットカウント3‐1で下して決勝進出を決めた。
グランドスラム大会で日本人選手が決勝に進むのは初めて。勝利のとき、錦織選手は両手を天に突き上げ、ガッツポーズ。何度も飛び跳ねて、うれしさを表した。
ヤンキース・イチロー選手もベタ褒め、「きょうはもう俺のことなんかどうでもいい。気持ちいい」
錦織選手は試合後のインタビューで、「世界NO.1のプレーヤーに勝って、内容もよかった。2セット目をとられて、ジョコビッチの本当の強さが出てきたので、そこから勝てたというのはうれしい。2セット目をとられた後、中に入っていこうと。後半、中に入って(ラケットを)振り切ることができた。最高の気分です」と、満足そうに話した。
一方、準決勝の対戦相手だったジョコビッチ選手は、インタビューで錦織選手を賞賛。全米オープンの公式サイト「An Interview With Novak Djokovic」(9月6日付)によると、「5セット目までもつれ込んだ2試合を制した彼の強さに、驚かれたのではないか?」との問いに、「彼は素晴らしいプレーをした。彼の努力を祝福したい。いい選手になった」と語った。
インターネットには錦織選手への祝福や激励のコメントであふれている。
「日本人の誇りです。あと1つ!」
「俺はずっとこの時を待っていたんだ!!」
「錦織のプレーは本当に最高だった、スゲーよ」
「冷静な試合運びにしびれました」
芸能人やスポーツ選手からも「おめでとう」の声が続々と……
お笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん(40)は「朝5時から仕事だけど… 観れて良かった!!!!!」と綴ったほか、浅野忠信さん(40)も「錦織選手すごい!これは優勝するね!」と絶賛。AKB48の島田晴香さん(21)は「とにかく感動した。テニスが好きでよかった」と、興奮ぎみに祝福している。
ジョコビッチ選手との準決勝を「観ました」という、米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手も、錦織選手の活躍に「いやぁ、すごいね。きょうはもう俺のことなんかどうでもいい。圧倒している。気持ちいい」と、ベタ褒めだ。
笑いがとまらない? 錦織選手、ジョコビッチ選手の胸に「UNIQLO」
錦織選手の快挙を、最も喜んでいるのはカジュアルウエアの「ユニクロ」かもしれない。ユニクロの公式ツイッターは、試合終了後すぐに「全米オープンテニス、錦織圭選手(@keinishikori)が世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ選手との激闘を制し、決勝進出です!おめでとうございます!!!!」とツイート。ふたりの健闘と錦織選手の決勝進出を祝った。
錦織選手とジョコビッチ選手の準決勝は、「ユニクロ対決」ともいわれた。錦織選手、ジョコビッチ選手ともに、ユニクロが提供するウエアを着てプレーするからだ。
赤のボーダーウエアの錦織選手に対して、ジョコビッチ選手は白いウエアで試合がはじまったが、第2セットの途中で錦織選手が白のウエアに着替えたため、両者が似た装いで戦った。もちろん、ふたりの胸には赤で「UNIQLO」の文字が入っていて、否応なく目に飛び込んでくる。
ユニクロは、8月25日には全米オープン着用の錦織モデルを発売。錦織選手の快進撃を受けて好調に売れているというから、笑いがとまらないだろう。
錦織選手とユニクロの契約は2011年のシーズンから。12年、錦織選手が全豪オープンテニスで、日本男子で80年ぶりに8強入りしたとき、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングの柳井正会長(当時63)は、錦織選手がグランドスラムを制覇した際には「優勝ボーナス? 凄いと思いますよ」と、超破格のボーナスを用意すると明かしていた。
「超破格」というのだから、「億」を下ることはあるまい。全米オープンの優勝賞金は300万ドル(約3億1200万円)。優勝すれば、ボーナスとあわせて錦織選手が手にする金額は4億円を超すだろう。
決勝戦は9月8日17時(日本時間9日6時)。相手は、ロジャー・フェデラー選手(33、スイス)を破ったマリン・チリッチ選手(25、クロアチア)に決まった。過去、錦織選手はチリッチ選手に5勝2敗という対戦戦績を残している。